講座・教員人間情報学講座HUMAN INFORMATICS

最適化理論、情報検索技術、感性情報処理などを学ぶ

人間情報学分野では、人間の情報処理の仕組みを利用して高度な応用システムを 開発することを目指して、感性や、社会情報、マルチエージェントを扱う分野などへ展開します。特に、人にやさしく実用性の高い知的情報処理技術を高度化するためのコンピュータによる学習支援を扱う分野、ビッグデータ社会におけるメディア処理とユーザエクスペリエンスを扱う分野、数理的モデル化技術の高度化を目指した生物進化に基づく進化的計算や群知能に基づく最適化技術を扱う分野を中心に教育・研究を進めます。 この分野の学習を通して、知識情報処理の技法、知的情報検索エンジン、エージェント、発見的探索手法などを修得し、知識基盤社会に重要なメディア情報処理システムを開発できる人材の育成を目指します。

計算知能グループ

生物の知的システムを情報処理に応用しよう!

計算知能グループでは、
・生物の進化機構をモデル化した進化的計算
・脳・神経系をモデル化したニューラルネットワーク
・アリなどの単純な生物の群れとしての行動をモデル化した群知能
などに関する研究を行っています。また、その応用として、各種問題の最適化、機械学習、データからの知識獲得などの研究を進めています。
このように、本グループでは、生物の進化・学習・適応のメカニズムに基づいた知的なシステムモデルの提案、知的な計算アルゴリズムの設計、および提案・設計したモデルやアルゴリズムを応用した知的システムの開発を目的とした研究・教育を行っています。

教員

研究テーマ

  • 進化的手法を用いた多峰性関数の最適化に関する研究

    進化的計算法では、ランダムに生成した問題の解を生物の染色体に見立て、交叉や突然変異を適用することにより、より問題に適した解に進化させます。進化的計算法は関数の最小値探索へも適用できます。上図のように関数の最小値が複数ある場合に、生物の種分化の考え方を用いて複数の最適解を同時に獲得する手法などについて研究します。

  • 遺伝的プログラミングを用いたプログラムの自動生成に関する研究

    遺伝的プログラミング(Genetic Programming; GP)はプログラムを進化により自動生成するための手法です。プログラムを木構造やグラフ構造、命令コード列により効率的に表現する方法や、効果的な交叉・突然変異の方法について研究します。上図は命令コード列を自動生成する手法であるLinear GPにより、プログラムが進化する様子を表しています。

  • 生物の群知能を応用した最適化に関する研究

    自然界のアリは、フェロモンなどを利用した相互作用により餌場への最短経路を形成するなど、コロニー全体として知的な行動を実現しています。このような生物の群知能を計算機上にモデル化し、組み合わせ最適化問題などへの解法に応用します。左図はデータの分類問題をアリの群れにより解く様子を示しています。

場所および連絡先

大学院進学希望の学生を歓迎します

研究室
情報科学部棟6F(641室、640室、643室)

学習工学グループ

バーチャルリアリティで力を体験しよう!

バーチャルリアリティ技術を利用した知的学習支援システムや感性情報処理など幅広く取り組んでいます。

教員

研究テーマ

  • 知的学習支援システムの研究

    バーチャルリアリティ技術を用いた学習支援が近年注目され、 体験を重視した学習において特に期待されています。 力覚フィードバック型インタフェースを用いた身体動作による 体験学習を支援するシステムの開発を行っています。 特に計算機内の仮想環境に表示された物体から力を体験できるシステムを使った 初等力学の体験学習支援に関する研究を進めています。 左図は、上半身の動きをインタフェースに応用したアミューズメント型学習支援システム。(上) ディスプレイ上のバーチャルリアリティ環境を、協力して操作・体験していく学習支援システム インタフェースを通じて環境内の力を体験できます。(下)

    キーワード:体験学習、協調学習、バーチャルリアリティ、身体動作、学習者モデル、アミューズメント性

  • 知識再利用,オントロジーと学習支援に関する研究

    対象領域の知識を効果的に管理するための知識再利用モデルに関する研究です。 オントロジーの観点から対象に関する知識の記述要素を抽出し、 要素間の関係表現に基づいて知識の再利用を支援する手法の確率を目指しています。 現在、学習教材等のコンテンツを対象にして研究を行っています。 左図は、支援ツールを用いて教材部品から学習教材を設計している様子です。

    キーワード:知識再利用、オントロジー、学習教材

  • ユーザ適応型学習支援システムに関する研究

    学習者の理解度にあわせた指導方針を自動的に構築していく学習支援システムや、 より効率的なインタフェースに関する研究です。 学習者と教師および両者のインタラクションに関するモデルを自動的に構築していくネットワークの開発や、 マウスやキーボードよりも自然な動きで操作できるインタフェースの研究を行っています。 左図は、ディスプレイ上でグラフ描画を行っていく学習支援システム。 学習者の状況に応じて適切な指導を、インタフェースを通じた様々な力のかけ方で実現できます。

    キーワード:学習者適応、ヒューマンモデル、統計学習、拡張現実感(AR)

  • 感性情報処理、感性工学に関する研究

    人間が感じる感性を表現する手法や、感性をもとに具体的なデザインを行う技術、 応用事例として、視覚情報や触覚情報など様々な要因を考慮してデザインを行える 感性工学システムの研究を知識工学をもとに行っています。 左図は、キッチンのレイアウトデザイン支援システム。 インタフェースを通じてレイアウトされたキッチンの天板に触れた時の触感をフィードバックできます。 また、触感によるキッチンレイアウトへの感性の変化も検証しています。

    キーワード:感性工学、バーチャルリアリティ、ファジィ推論、触感

場所および連絡先

反力フィードバックをはじめとする様々なバーチャルリアリティ技術を用いて、仮想環境での体験による学習支援システムや、 対象の触感もデザインできる感性工学システムなど、新しいシステムの研究開発を行っています。 学部生、院生ともに各自のテーマを持って、日々研究を行っています。

研究室
情報科学部棟、(650室~657室)

社会情報学グループ(旧社会情報学研究室)

カメラやセンサからの情報を活用し、人に寄り添うシステムを作ろう!

デジタルカメラやWebカメラ、ジェスチャー認識や音声認識デバイスなどが簡単に手に入るようになってきました、社会情報学グループでは、これらの装置から入手できる情報を活用し、人に寄り添う便利な情報システムの開発に関する研究を行っています、
主なテーマは以下の通りです。

主な研究テーマ
  • コンピュータに知的な処理を行わせるための情報解析手法に関する研究
  • 人が楽しみながら情報探索を続けられるための検索インタフェースに関する研究
  • 人の知識や感情を視覚的に表現するための情報提示手法に関する研究

教員

研究テーマ

  • 自律エージェントの行動学習

    ロボットなどの自律エージェントは、自身の置かれている状況に応じて最適な行動を選択できることが要求されています、どのような行動を選択すれば最も良いかを学習する手法について研究しています。下の写真は、関連する研究を国際会議で発表したときのものです。

  • 曖昧な情報要求からの探索を支援する検索インタフェース

    人と検索システムを直接つなぐ大きな役割を担っているのが、検索インタフェースです。探したい情報のイメージ(情報要求)がぼんやりしている時、どのように情報を探したらよいかをテーマに、変化する情報要求に柔軟に対応できる入力方法や、検索を進めやすい情報の表示方法について研究しています。下の画像は、実際の大学図書館を再現した実空間とキーワード検索で生成された仮想空間を行き来できる図書検索システムと、花の色や葉の形など検索の切り口を組み合わせて植物を探すことができる植物図鑑アプリケーションです。

  • 感情の色彩化と購買行動支援への応用

    購買行動において、商品に対する期待度と商品消費後の満足度には、相互関係があるといわれています。期待度が高すぎると満足度は低くなる傾向にあり、悪い口コミが広がる可能性が出てきます。一方、期待度が低すぎると、そもそも商品を購入してもらえなくなる可能性が出てくるため、機会損失につながります。商品が本来の価値で評価できるよう、期待度と満足度を近しくするための第一歩として、購買後の消費者の感情を色彩化し商品パッケージに適用する手法について研究しています。

場所および連絡先

学生全員がニックネームで呼ばれていたり、不定期に研究室のメンバで小旅行に行っていたりと、学部4年生と大学院生の仲が非常に良い研究室だと感じています。ただし、教員が陰でどのように呼ばれているかは不明です。

研究室
情報科学部棟、(661室、650室、662室)