講座・教員 王超 助教 Wang Chao

研究テーマ

人間の視覚機能を「超」えるコンピュータビジョンの実現

スペクトルイメージング技術と応用研究

光が物質に当たると,物質の表面の状態に応じて様々な光学現象が発生します.例えば,物質の表面が滑らかである場合には「正反射」や「鏡面反射」が発生し,一方で表面が微小な凸凹である場合には「拡散反射」が発生します.このような反射現象は光が不透明なマテリアルに当たるとよく見られるものです.次に,光の一部が物質内部に入り込み,内部の粒子や分子に当たることで「散乱」という現象が生じます.これは光が半透明なマテリアルに当たると一般的に観測される光学現象です.さらに,光が物質内部に吸収される場合もあります.これを「吸収」といい,光が透明なマテリアルに当たるときによく見られる現象です.これらの光学現象は物質の性質に依存するだけでなく,光の波長にも強く依存します.人間の目に見える範囲である380nmから780nmまでの波長を「可視域」といい,それ以外の範囲を「不可視域」と呼びます.また,これらの現象は波長だけでなく,偏光の影響も受けることが知られています.本研究では,これらの光学現象を利用して,様々なマテリアルの識別と検出を行うための偏光スペクトルイメージング技術とその応用に焦点を当てています.具体的には,光の反射,散乱,吸収特性を偏光スペクトルイメージングを用いて詳細に解析し,物質の識別精度を高めることを目指しています.この技術は,工業的応用を始めとして,多くの分野での利用が期待されており,今後の発展が期待される分野です.興味のある方は,ぜひ一緒に研究を進めていきましょう.​